
「筋トレしても体型が変わらない」「デスクワークで肩こりがひどい」「気づくと猫背になっている」
そんな悩みを抱えていませんか?
こうした不調の根本原因は表面的な筋肉の衰えではなく、体の深層部にある「インナーマッスル」の機能低下にあります。マットピラティスは、眠っているインナーマッスルを目覚めさせ、体の使い方そのものを再教育する画期的なメソッドです。
この記事では、マットピラティスがなぜ根本的な解決策となるのか、マシンやヨガとの違い、そして自宅でできる基本エクササイズまで完全解説します。
読み終わる頃には、慢性的な不調を改善し、しなやかで美しい姿勢を手に入れる具体的な方法が見えてくるはずです。
マットピラティスとは

体の不調や姿勢の悩みを抱える方から、運動初心者まで幅広く支持されているマットピラティス。マット一枚あれば自宅で気軽に始められる一方で、その奥深さと効果の高さから世界中で愛され続けています。
では、マットピラティスは他のエクササイズとどのような違いがあり、どんなメリットが期待できるのでしょうか。まずは基本的な特徴から詳しく見ていきましょう。
マットピラティスとマシンピラティスの違いとは
ピラティスには、マットの上で行う「マットピラティス」と、専用の器具(マシン)を用いる「マシンピラティス」の2種類が存在します。
マットピラティスとマシンピラティスの両方を理解することが大切です。
| 項目 | マットピラティス | マシンピラティス |
| 使用器具 | 基本的にマットのみ | リフォーマー、キャディラック等 |
| 主な負荷 | 自身の体重(自重)、重力 | マシンのスプリング(バネ) |
| 特徴 | 体全体のコントロール能力、コアの安定性を高めることに特化。 | 正しい動きの軌道を習得しやすく、特定の部位に集中的にアプローチ可能。 |
| 向いている方 | ・体の土台を作りたい方・自己の身体と深く向き合いたい方・自宅で手軽に始めたい方 | ・リハビリ目的の方・正しい動きを早く習得したい方・負荷を細かく調整したい方 |
どちらか一方が優れているというわけではなく、それぞれに異なる強みがあります。体の基礎を作るマットピラティスと、より精密な動きの学習を助けるマシンピラティスは、相互に補完し合う関係にあると言えるでしょう。
マットピラティスとヨガとの違い

マットの上で行うという共通点から混同されがちなマットピラティスとヨガですが、その起源や目的、呼吸法、動きの質は全く異なります。
| 項目 | マットピラティス | ヨガ |
| 起源 | 20世紀初頭、リハビリテーションを目的としてドイツで考案。 | 古代インドの精神的な修行法。 |
| 目的 | 体幹の強化、姿勢改善、身体機能の再教育。 | 心身の調和、精神的な成長、リラクゼーション。 |
| 呼吸法 | 胸式ラテラル呼吸(交感神経を優位に)。 | 腹式呼吸(副交感神経を優位に)。 |
| 動きの焦点 | 常に流れの中で動き続け、コアの安定と背骨のしなやかさを追求。 | ポーズを維持し、静けさの中で心身と向き合う。 |
マットピラティスならではのメリット
マットピラティスには、特に運動初心者にとって嬉しい多くのメリットがあります。
手軽に始められる
最も大きな魅力は、マット1枚あれば場所を選ばずに実践できることです。 ジムに通う時間がない日でも、自宅のリビングや旅先で、思い立った時に取り組むことができます。 高価な器具を必要としないため、初期費用を抑えて長く続けやすいのも利点です。
自身の身体への気づきが深まる
器具のサポートがない環境で自重と向き合うことは、自身の身体の歪みや左右差、無意識のクセに気づく絶好の機会となります。 「右側だけやりにくい」「この動きをすると腰が反ってしまう」といった細かな感覚と向き合うことで、身体への理解が深まります。
あらゆる動作の土台を築く
マットピラティスで培われるコアの安定性と身体のコントロール能力は、あらゆる身体活動の基礎となります。 他のスポーツのパフォーマンス向上はもちろん、マシンピラティスへステップアップする際の土台作りにも最適です。立ち上がる、歩く、物を持つといった日常生活の動作の質を高めることができます。
マットピラティスの効果9選

マットピラティスを継続することで得られる効果は多岐にわたります。
- インナーマッスルの強化
- 歪みのない美しい姿勢
- 慢性的な肩こり・腰痛の根本改善
- 天然のコルセット(腹横筋)によるウエストの引き締め
- 代謝アップとダイエットしやすい体質作り
- 自律神経の安定とストレス軽減
- パフォーマンスの向上
- 心と身体の繋がりの深化(集中力アップ)
- 冷え性・むくみの改善
ここでは、心身にもたらされる代表的な9つの効果について、そのメカニズムとともに詳しく解説します。
インナーマッスルの強化
私たちの体には、大きく分けて2種類の筋肉が存在します。体の表層にあり、大きな力を発揮する「アウターマッスル」と、体の深層で骨格や内臓を支え、姿勢を維持する「インナーマッスル」です。
運動不足や偏った体の使い方が続くと、インナーマッスルの働きが弱まり、うまく使いにくくなることがあります。アンバランスが、姿勢の崩れや慢性的な不調を引き起こす一因となるのです。
ピラティスは、眠ってしまったインナーマッスルを目覚めさせ、本来の機能を取り戻させるための極めて効果的なメソッドです。ピラティス特有の胸式呼吸は、インナーマッスルを起動させるための重要な鍵となります。息を吐きながらお腹を薄くしていくプロセスで、深層にある腹横筋や骨盤底筋群が自然と活性化されるのです。
ピラティス特有の呼吸と、制御された精密な動きを組み合わせることで、体の軸が内側から安定し、アウターマッスルの無駄な緊張が解き放たれます。ピラティスは単なる筋力トレーニングではなく、体の使い方そのものを再教育するプロセスと言えるでしょう。
歪みのない美しい姿勢
しなやかで美しい姿勢の鍵を握るのは、背骨が描く自然な「S字カーブ」と、その土台となる「骨盤のニュートラルポジション」です。
背骨は、重力による負荷を分散させるクッションの役割を果たしており、骨盤が正しい位置にあることで、機能が最大限に発揮されます。
ピラティスでは、理想的な姿勢を再構築するために、「アーティキュレーション」という概念を非常に重視します。 アーティキュレーションとは、背骨を構成する24個の椎骨を、まるでパールのネックレスのように、一つひとつ独立させて滑らかに動かすことです。
意識的な動きを繰り返すことで、固まりがちな背骨周りの柔軟性が高まり、コアの力で骨盤を安定させる感覚が養われます。
慢性的な肩こり・腰痛の根本改善
多くの人々を悩ませる慢性的な肩こりや腰痛。その場しのぎのマッサージでは、根本的な解決には至らないことがほとんどです。 なぜなら、痛みの原因は、患部そのものよりも、姿勢の崩れや体幹の不安定さ、そして「胸椎(きょうつい)」の硬さにある場合が多いからです。
猫背姿勢では重い頭を支えるために首や肩の筋肉が常に緊張状態に陥ります。また、本来、体をひねる動きの多くを担うべき胸椎が硬くなると、その動きを腰椎が代償し、腰に過剰な負担がかかってしまうのです。
ピラティスは、こうした痛みの根本原因にアプローチします。 胸式呼吸によって肋骨周りの動きを促し、アーティキュレーションによって胸椎の柔軟性を引き出すことで、背骨全体の機能的な動きを回復させます。特定の部位に集中していた負荷が全身に分散され、肩や腰へのストレスが劇的に軽減されるのです。
天然のコルセット(腹横筋)

ぽっこりお腹の原因は、単なる脂肪だけではありません。お腹の最も深層にあり、内臓を支えているインナーマッスル「腹横筋(ふくおうきん)」の衰えが大きく関係しています。 腹横筋は、コルセットのようにお腹周りをぐるりと覆っており、この筋肉が適切に働くことで、内臓が正しい位置に収まり、ウエストラインが自然と引き締まるのです。
ピラティスの胸式呼吸は、この「天然のコルセット」である腹横筋をダイレクトに鍛えるための非常に効果的なツールです。 息を吸う際に肋骨を左右に大きく広げ、口から細く長く息を吐き切りながら、おへそを背骨の方向へ引き込むようにしてお腹を薄くしていきます。
「息を吐きながらお腹を薄くする」という意識的な動作が、腹横筋のスイッチを入れ、内側から体幹を安定させます。デスクワークなどで弱りがちな腹横筋を活性化させることは、見た目の引き締め効果だけでなく、腰椎を安定させ、腰痛を予防・改善する上でも極めて重要です。
代謝アップとダイエットしやすい体質作り
ピラティスは、体重を急激に落とすことを目的とするのではなく、体の内側から燃焼効率を高め、太りにくい「燃焼体質」へと変えていくアプローチです。 鍵となるのが、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量である「基礎代謝」の向上です。
基礎代謝の多くは筋肉によって消費されるため、筋肉量を増やすことが代謝アップに直結します。特に、姿勢を維持するために常に働き続けるインナーマッスルを鍛えることは、基礎代謝の向上に非常に効果的です。
ピラティスは、呼吸と連動した動きでインナーマッスルを効率的に刺激し、全身の血流を促進します。 血行が改善されると、細胞の隅々まで酸素や栄養素が行き渡り、内臓機能も活性化するため、さらに代謝が上がりやすくなるという好循環が生まれます。
単にカロリーを消費する運動とは異なり、体の仕組みを根本から整えることで、リバウンドしにくい体質を目指せるのがピラティスの大きな特徴です。
自律神経の安定とストレス軽減
ピラティスは、心身の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整える「動く瞑想」とも言われています。
エクササイズ中は、呼吸と体の微細な感覚に意識を集中させます。 「今、この瞬間」に意識を向けるプロセスは、マインドフルネスと同様の効果をもたらし、過去の後悔や未来への不安といった雑念から心を解放します。
ピラティスの深い胸式呼吸は、自律神経に直接働きかけます。 ストレス状態では「活動」を司る交感神経が優位になりがちですが、深くコントロールされた呼吸は「リラックス」を司る副交感神経を優位に導き、心拍数や血圧を安定させます。さらに、背骨の柔軟性が向上すると、背骨の中を通る自律神経の伝達もスムーズになります。
パフォーマンスの向上

安定した体幹は、あらゆる動作の質を高めるための土台です。 ピラティスによって体の中心部が強化されると、手足の動きが安定し、力が効率的に伝わるようになります。
タイガー・ウッズ選手(ゴルフ)やアンディ・マレー選手(テニス)をはじめ、多くの一流アスリートが、体幹強化と怪我予防のためにピラティスをトレーニングに取り入れています。
この効果は、アスリートに限った話ではありません。 例えば「歩く」という日常動作一つをとっても、体幹が安定することで軸がブレにくくなり、長時間歩いても疲れにくくなります。 また、重い荷物を持つ際に体幹を使う意識を持つことで、腰への負担を軽減し、安全かつ効率的に体を動かすことができるようになります。
ピラティスは、コアの安定性だけでなく、柔軟性やバランス感覚も同時に養うため、転倒リスクの軽減など、QOL(生活の質)の向上にも大きく貢献します。
心と身体の繋がりの深化(集中力アップ)
ピラティスの神髄は、創始者が名付けた「Contrology(コントロロジー)」という言葉に集約されています。 単に体を動かすのではなく、自らの「意識」で体を「コントロール」することを目指す学問です。
エクササイズ中は、背骨の一つひとつの動き、筋肉の収縮、呼吸のリズムなど、自身の体の内側で起きていることに常に意識を向け続ける必要があります。 雑念が入り込む隙を与えないほど動きに没頭することで、脳がリフレッシュされ、終わった後には頭がクリアになる感覚を得られるでしょう。
ピラティスを通じて背骨の歪みが整うと、脳から体への神経伝達がスムーズになります。 これにより、文字通り「思った通りに体が動く」という感覚が研ぎ澄まされていきます。
冷え性・むくみの改善
女性に多い冷え性やむくみの悩みの原因の一つに、血行不良が挙げられます。ピラティスは、インナーマッスルを動かすことで深部の熱産生を促し、全身の血流を改善する効果が期待できます。
特に、第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎの筋肉を動かすエクササイズや、胸式呼吸による横隔膜のポンプ作用は、滞りがちな血液やリンパの流れを促進します。血行が良くなることで、体の末端まで温かい血液が行き渡り、冷え性が改善されます。
また、余分な水分や老廃物の排出がスムーズになるため、むくみの軽減にも繋がります。 全身の巡りが良くなることは、肌のトーンアップやトラブル改善といった美容面での嬉しい効果ももたらしてくれるでしょう。
初心者向けのマットピラティス

運動経験がなくても気軽に始められるのがマットピラティスの魅力ですが、いざ取り組もうとすると「何から始めればいいの?」「正しくできているか不安」と感じる方も少なくありません。
効果的かつ安全にマットピラティスを習得するには、まず基本となる姿勢と呼吸法をしっかりと身につけることが重要です。
ここでは、自宅で始める際の準備から基本の土台作りまで、初心者が知っておくべきポイントを丁寧に解説していきます。
自宅でマットピラティスを始める方法
自宅で快適にマットピラティスを始めるために、まずは環境を整えましょう。
【必要なもの】
- ヨガマット: ピラティスでは背骨をマットにつけて転がるような動きも多いため、体を保護するクッション性が重要です。厚さ10mm以上のものを選ぶと、骨への負担が少なく快適です。 グリップ力があり、汗で滑りにくい素材(TPEや天然ゴムなど)がおすすめです。
- 動きやすい服装: 伸縮性があり、体のラインがある程度わかるウェアを選びましょう。 自身のフォームを確認しやすくなります。 ただし、締め付けが強すぎて呼吸を妨げないよう、快適に動けることが最優先です。
【やり方と注意点】
- 正しいフォームを意識する: 最初は、動画などを参考にしながら、鏡で自分の動きを確認するのがおすすめです。 間違ったフォームは効果が出ないだけでなく、怪我の原因にもなります。
- 無理をしない: エクササイズ中に痛みを感じたら、決して無理をせず中断しましょう。 痛みを我慢して続けることは逆効果です。
- 信頼できる情報源を選ぶ: 動画などを参考にする場合は、資格を持つ経験豊富なインストラクターが監修・指導しているかを確認することが大切です。
無理のない頻度から始めて徐々に回数を増やしていきましょう。
基本の姿勢と呼吸法をマスターする
エクササイズの効果を左右する、最も重要な土台が「ニュートラルポジション」と「胸式呼吸」です。
【ニュートラルポジションの確認方法】
ニュートラルポジションとは、背骨の自然なS字カーブが保たれた、体にとって最も機能的で負担の少ない姿勢のことです。
- 仰向けになり、両膝を腰幅に開いて立てます。足裏はマットにつけましょう。
- 骨盤の左右の出っ張った骨(上前腸骨棘)と、恥骨を結んだ三角形の面を探します。
- この三角形の面が、床と平行になるように骨盤の角度を調整します。
- この時、腰とマットの間に手のひら一枚が滑り込む程度の自然なスペースができていれば、それがニュートラルポジションです。
【胸式呼吸の実践方法】
胸式呼吸は、体幹のインナーマッスルを起動させるためのスイッチです。
- 楽な姿勢で座るか、仰向けになります。両手を肋骨の下あたりにそっと置きましょう。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、両手で触れている肋骨が左右、そして背中側にも大きく広がっていくのを感じます。 この時、お腹は膨らませず、薄い状態をキープします。
- 口から「フー」と細く長く、ロウソクの火を消すように息を吐き切ります。 吐きながら、広がっていた肋骨が中央に閉じていき、同時におへそを背骨の方向へ引き込むように、お腹をさらに薄くしていきます。
- この呼吸を数回繰り返し、肋骨の動きとお腹の感覚に意識を集中させます。
自宅でできる基本のマットピラティス・エクササイズ5選

基本の姿勢と呼吸法をマスターしたら、いよいよ実際のエクササイズに挑戦してみましょう。
ここでご紹介する5つのエクササイズは、ピラティスの核となる要素がバランス良く組み込まれており、継続することで体幹強化から柔軟性向上まで幅広い効果が期待できます。
まずは正しいフォームを身につけることを最優先に、無理のない範囲で丁寧に取り組んでいきましょう。
エクササイズ1:ペルビックカール

背骨の柔軟性を高め、体幹を安定させる感覚を養う、ピラティスの基本中の基本となるエクササイズです。
手順:
- 仰向けで膝を立て、足は腰幅に開きます。両腕は体の横に置き、手のひらは下に向けます。
- 息を吐きながら、おへそを背骨に引き寄せ、骨盤を後傾させます(恥骨を顔の方に向ける)。尾骨から順番に、背骨を一つずつゆっくりとマットから持ち上げます。
- 肩から膝までが一直線になったポジションで、一度息を吸います。
- 息を吐きながら、今度は胸の後ろ側から、背骨を一つずつ丁寧にマットへ下ろしていきます。最後までお腹の力を抜かず、ゆっくりとニュートラルポジションに戻ります。
- この一連の動作を繰り返します。
お尻を高く持ち上げることよりも、背骨を一つずつマットから剥がし、一つずつマットへ下ろしていく「分節的な動き(アーティキュレーション)」を意識することが最も重要です。
エクササイズ2:ザ・ハンドレッド・プレップ

ピラティスの代表的なエクササイズ「ハンドレッド」の準備運動。腹筋群の強化と、呼吸のコントロールを目指します。
手順:
- 仰向けで膝を立てた基本姿勢からスタートします。
- 息を吐きながら、頭と肩甲骨をマットから持ち上げ、視線はおへそに向けます。同時に腕を床から数センチ浮かせ、指先を遠くへ伸ばします。
- その姿勢をキープしたまま、息を吸いながら腕を小刻みに5回、吐きながら5回、上下に打ちつけます。
- これを1セットとし、10セット(合計100回腕を動かす)を目指します。最初は無理のない回数から始めましょう。
- 終わったら、ゆっくりと頭と肩をマットに下ろします。
頭を持ち上げる意識ではなく、みぞおちをマットに沈めるようにすると、首の余計な力が抜け、腹筋に的確にアプローチできます。 腕を動かす際も肩がすくまないよう、首を長く保ちましょう。
エクササイズ3:レッグサークル

股関節の可動域を広げながら、体幹の安定性を試すエクササイズです。
手順:
- 仰向けになり、両腕は体の横に置きます。
- 片脚を天井に向けて伸ばします(膝は少し曲がっていてもOK)。もう片方の脚は、膝を立てておくか、伸ばしておきます。
- 息を吸いながら、天井に伸ばした脚で、骨盤が動かない範囲の小さな円を描き始めます。
- 息を吐きながら、円を描き終えてスタート地点に戻ります。
- 内回し5回、外回し5回行い、反対の脚も同様に行います。
脚で大きな円を描くことよりも、脚を動かしている間、骨盤が全くぐらつかないように、お腹の力で安定させ続けることを最優先します。
エクササイズ4:ソウ

座ったまま背骨をねじるダイナミックな動きで、体幹の強化とハムストリングス(もも裏)のストレッチを同時に行います。
手順:
- 長座の姿勢から両脚をマット幅より広く開きます。つま先は天井に向け、両腕は肩の高さで真横に広げます。
- 息を吸って背骨を長く伸ばし、息を吐きながら上半身をねじります。前の手の小指で、反対側の足の小指をノコギリしてください(Saw)で切るようなイメージで、体を斜め前に倒します。
- 息を吸いながら、ねじったまま上半身を起こします。
- 息を吐きながら、正面のスタートポジションに戻ります。
- 反対側も同様に行い、左右交互に繰り返します。
腕の力で体を倒すのではなく、お腹を雑巾絞りのように深くねじる意識を持ちます。 両方のお尻は常に均等に床につけておきましょう。
エクササイズ5:スイミング・プレップ

体の背面(背中、お尻、もも裏)をバランスよく強化し、美しい姿勢作りをサポートします。
手順:
- うつ伏せになり、両腕は頭の先に伸ばし、脚は腰幅に開きます。
- 息を吸って準備。お腹をマットから少し引き上げるように腹筋を意識します。
- 息を吐きながら、対角線上の腕と脚(例:右腕と左脚)を、体がねじれないように注意しながら、マットから数センチ持ち上げます。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 反対側も同様に行い、左右交互に繰り返します。
手脚を高く上げることよりも、おへそを背骨の方へ引き込み、お腹を薄く保つことで腰が反りすぎないようにコントロールすることが重要です。 指先とつま先が遠くに引っ張り合うように、体を長く使う意識を持ちましょう。
マットピラティスのレッスンを受けるなら

自宅での練習に慣れてきたら、次のステップとしてスタジオでのレッスンも検討してみませんか。独学では見落としがちな細かなフォームの修正や、個人の体の特徴に合わせた指導を受けることで、ピラティスの効果をより深く実感できるはずです。
ここでは、スタジオレッスンの種類から効果的な頻度、そして初めての方におすすめの体験レッスンまで、知っておきたい情報をまとめてご紹介します。
効果的な頻度と期間
ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティス氏は、「10回で気分が良くなり、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」という言葉を残しています。
この言葉が示すように、ピラティスの効果は継続によって現れます。理想は週に2〜3回ですが、まずは「週に1回を3ヶ月」続けることを目標に始めてみるのがおすすめです。 約3ヶ月という期間は、体の細胞が入れ替わり、正しい体の使い方が定着し始めるための目安とされています。 焦らず自分のペースで続けることが、最も確実な変化への道です。
レッスンの時間の目安
スタジオのレッスンは、一般的に50分〜60分で構成されています。 この時間には、体を安全かつ効果的に動かすための流れが計算されています。
- ウォームアップ: 呼吸を整え、体を温めて怪我を防ぎます。
- メインエクササイズ: 様々なエクササイズを流れの中で行い、全身にアプローチします。
- クールダウン: 使った筋肉をストレッチし、心身を落ち着かせます。
一連の流れを経験することで、ピラティスの効果を最大限に引き出すことができるのです。
体験レッスンからはじめよう
独学でのエクササイズは、無意識のうちに間違った動きがクセになってしまい、効果が得られないばかりか、かえって体を痛めてしまうリスクも伴います。
プロのインストラクターは、客観的な視点で一人ひとりの骨格や体のクセを評価し、最適なアプローチを提案してくれます。 言葉だけでは伝わりにくい感覚を、実際に体に触れて導く「ハンズオン」という指導法によって、正しい筋肉の使い方や関節の動きを体感的に理解することができます。
「なるほど、こう使うのか!」という感覚的な気づきは、上達への大きな一歩となるでしょう。
ほとんどのスタジオでは、気軽にレッスンの雰囲気を試せる体験レッスンが用意されています。 まずは一度、プロの指導を体験し、スタジオの雰囲気やインストラクターとの相性を確認してみてはいかがでしょうか。 自分に合った環境を見つけることが、楽しく継続するための鍵となります。
まとめ|マットピラティスで効果を体感しよう
マットピラティスは、単に体を鍛えるエクササイズではありません。
呼吸を通じて心と体を繋ぎ、体の深層部から機能を再教育することで、しなやかで強い心身を築くためのメソッドです。
姿勢の改善、慢性的な不調の緩和、代謝アップ、ストレス軽減など、得られる効果は多岐にわたります。そして何より、自身の体と向き合う時間を持つことは、日々をより豊かに、快適に過ごすための大きな助けとなるはずです。
ご自身の体の癖を正確に把握し、より深く効果を実感するためには、専門知識を持つインストラクターの指導を受けることが非常に有効です。
選択肢の一つとして、専門スタジオでの体験レッスンに参加し、心と体が根本から変わっていく感覚を、ぜひ一度味わってみてください。